私たち夫婦は、第2子の出産にあたり、1年間の育休を夫婦で取得しました。
そのときの私たちの目的はシンプルでした。
「しっかり育児をしたい」
「上の子との時間も大切にしたい」
「妻の体も心も、ちゃんとサポートしたい」
そう、“育児のため”に育休を取ったのです。
でも――
実際に1年間、家族で過ごしてみて気づいたのは、育休の本当の価値は“育児”だけではなかったということでした。
育児に全力で向き合ったからこそ見えてきたのは、
“夫婦の関係”や“人生のバランス”といった、もっと根っこの部分。
この記事では、育休を1年間取ったリアルな体験をもとに、男性が育休を取ることで得られた3つの大切な気づきをご紹介します。
私は、夫と2人の子どもと暮らす4人家族のママです。
2歳差で第2子を出産し、そのタイミングで夫婦で約1年間の育休を取ることを決意しました。
現在は、家事の時短アイデアを試したり、副業にも挑戦したりと、
「家族との時間」と「自分の時間」のバランスを大切にしながら日々を過ごしています。
育休は夫婦の第2ステージへの大切な期間

まず知っておきたいのは、**子育てって実は“期間限定”**だということです。
一般的に、子どもと一緒に過ごす時間は、
- 母親で「約7年6か月」
- 父親で「約3年4か月」
と言われています。
…想像より、かなり短くないですか?
一方で、子どもが巣立った後に夫婦ふたりで過ごす時間は、実はもっとずっと長いんです。
私たちの場合、下の子が大学を卒業するのが55歳ごろ。
そこから平均寿命の80歳まで生きるとしたら、なんとあと25年も夫婦ふたりの時間があることになります!
な、長い…!(笑)
だからこそ、「今」一緒に子育てを経験しておくことが、将来のふたりの関係をあたたかいものにすると思うんです。
育児はチーム戦。“ふたりで乗り越える”が絆になる

育児中って、とにかく余裕がないんですよね。
正直、子供が寝ている間に本読んだり、コーヒー飲んだりできると思ってた!!0歳と2歳児がいる生活はとにかく大変‼
寝不足、家事の山、泣き止まない子ども…。
毎日が「やることリスト」と「やっと終わった…」の繰り返しで、夫婦でゆっくり話す時間なんてほとんどありません。
でも、そんな“余裕のない時期”こそ、夫婦で一緒に過ごすことがすごく大切なんです。
忙しくて気持ちがすれ違いそうになる中で、
それでも「ありがとう」と伝える、
「大丈夫?」と声をかける、
そうやってお互いを思いやりながら乗り越える経験こそが、夫婦の土台になります。
育児が落ち着いた後、ふたりきりになったときに、
「一緒に頑張ってきたね」と笑い合える関係でいられるかどうか。
それは、この育休期間をどう過ごすかにかかっていると、私たちは実感しています。
家事・育児の“やり方”を共有できたのが大きかった

「自分のやり方」があった私
これまで家事や育児は、どちらかといえば私が中心でした。
毎日のルーティンの中で、自然と「自分なりのやり方」ができあがっていて、それが一番スムーズだと思っていました。
夫と家のことを一緒にするようになって…
でも、夫が育休をとり、一緒に毎日家事や育児をするようになってから状況が少しずつ変わりました。
「どうしてこの順番でやってるの?」
「この子が泣いたときって、どうしてる?」
今まで当たり前にやっていたことに、夫から素直な疑問や提案が飛んできます。
最初は戸惑うこともありましたが、会話を通して気づくことがたくさんありました。
話すことで、気づけたこと
夫のひと言で「それ、やらなくていいかも」「こうした方が早いよ」と言われてハッとすることもしばしば。
思い込みや無意識にやっていたことが、意外と“やらなくていいこと”だったり、効率化できることだったり。
ふたりで話し合う時間が増えたことで、家のことに対する視点も柔らかくなりました。
何回もケンカしてぶつかって…
もちろん、すべてがスムーズにいったわけではありません。
やり方の違いで何度もぶつかりましたし、「なんで分かってくれないの…」と思ったこともあります。
でも、そのたびに話し合って、試して、またやり直して。
そうやってすり合わせながら、少しずつ「わが家らしいやり方」を見つけていきました。
今では、どちらがいても安心できる
今では、どちらかが不在でも、もう片方が安心して家事も育児もこなせるようになりました。これって実はすごく心強いこと。
「やってみないとわからないこと」を、ふたりで体験しながら乗り越えてきたからこそ築けた、わが家だけのスタイルです。
“家族の時間”だけじゃなく“生活のバランス”も大事

そうはいっても家族だけと過ごしているとノイローゼ気味になります。
最初は育休をとって家族との時間を一緒に大切に過ごすぞ!と意気込んていたけど、これが結構大変でした。めちゃくちゃストレスが溜まる!!
育休に入ると「家族の時間を最優先しなきゃ」と思いがちですが、実際に暮らしてみて感じたのは、バランスの大切さでした。
私たちが意識的に取り入れた、次の3つの時間
◻ 家族の時間
一緒に食事をし、寝かしつけ、成長を見守る。
とても大事で、あたたかい時間。
◻ 一人の時間
交代でひとりカフェに行ったり、本を読んだりする“自分だけのリズム”。
これがあると、心がリセットされて、笑顔に戻れます。
◻ 友人との時間
パパもママも、たまには外でリフレッシュ。
社会とのつながりがあると、育児に戻ったときのエネルギーになります。
このバランスを取っていたからこそ、お互いを思いやる余裕が生まれたし、
育休期間中も心地よく過ごすことができました。
“育休=育児”だけじゃない?本当の価値を考える
育休というと、どうしても「赤ちゃんのお世話をするための時間」と思われがちです。もちろん、それも大切な目的のひとつ。けれど、実際に夫婦で育休を経験してみて感じたのは、それだけではない「もっと深い価値」があるということでした。
一緒に家事や育児をこなす中で、何度もぶつかり、話し合い、すり合わせていく。
そんな日々を通して、お互いの考え方や価値観を知る機会が増え、「夫婦としての土台」が強くなったように思います。
育休は、家族としての新しいスタートラインに立ったふたりが、これからの暮らしを共に形づくっていくための大切な時間。
「育児のため」だけじゃなく、「夫婦の未来のため」にも、とても意味のある選択でした。
これから育休を考えている男性にも、パートナーと一緒にその“本当の価値”を見つめ直してほしい——そう願っています。